『いいけど…なんで?』

リビングから顔を出した涼は俺を見て驚く。


それもそうか。

見知らぬ女の子が俺にお姫様抱っこされてて、
しかも服がはだけてて。


驚かないワケないか。


『あとで事情は話す。

だからその前に着替え貸して。』


涼は戸惑いながらも俺にスウェットを渡す。


俺はそれを受け取って、
着替えさす。


真っ白の肌にところどころ傷や泥がついていて。

それを見ていると苦しくなった。


濡れたタオルで体を拭き、
傷を消毒する。


見知らぬ男にこんなことをされても、キミは困るだけか…??

そんなことを寝顔に語りかける。


でも、答えてくれるワケもなく。

ただ閉じた目から1粒の涙が零れた