取り出したベージュの袋をアタシは柊二の手から取ると、それを改めて柊二に手渡した。
「誕生日、おめでとう」
「あ、そうだった。オレの誕生日か……」
「忘れないでよね」
「おーっ! これ、梓の手作り?」
柊二が立ち上がってそれを腰に当てる。
黒いギャルソンのエプロン。
所々真っ直ぐに縫えてなかったりもしてるけど、アタシにはそれが限界。
でも、お母さんもこれなら合格! って言ってくれたし……。
「うん……こんなのでごめんね……」
「いや、全然うれしいんだけど……今使ってるのが大分、古くなってきたから買い換えようと思ってたんだよね。今使ってるのと同じ感じだから、マスターには内緒で使えるな」
「あ、マスターには了承済みだよ!」
「そうなの? じゃぁ、気兼ねなく使えるし」
了承済みも何も、マスターに相談して、お店にあるエプロンを一つ拝借して、型をとったんだ。
だから、同じ感じもなにも、きっと一緒。
作り方とかは違うかもしれないけど、同じようには出来てるはず。

