「お待たせ」 ドアが開くと、カプチーノのいい香りが部屋を埋め尽くす。 「入れなおしてきた」 そう言って出されたのは、さっきのハートのカップに入ったカプチーノ。 思わず笑みがこぼれる。 「本当、かわいい」 「ラブカプチーノ」 「え?」 ラブカプチーノ? 「梓の為だけの特別なカプチーノ」 アタシの為の……世界でひとつだけのカプチーノ。 どんなカプチーノよりも愛情がこもったカプチーノ。 アタシはこれを一生忘れないよ。