「本当! 何これ。アタシも飲みたい!」
「キャーかわいい。わたしにも作って!」
カウンターにいた人が次々にアタシのカップを覗き込む。
それもそのはず。
アタシの目の前に置かれたカプチーノ。
このアタシですら初めて見たカプチーノ。
白いハートのカップに小さなハートがいくつも描かれていた。
カプチーノの茶色のキャンバスにミルクで作られた白いハートが浮かぶ。
ノスタルジックな表情のカプチーノにアタシのココロが震える。
この、デザインカプチーノは柊二が練習していたのはアタシも知ってる。
バリスタになるには必須とか言いながら練習していた。
でも、難しいからなかなか上手くいかないって言ってたのに……。
やっと、柊二の練習の成果が実ったのかな。
そう思うとうれしくなる。

