「いやっ、俺は滑れるよ、根本ができるのに俺が出来ないわけがない!!」
山村はそう言って立ち上がって滑ろうとした。
しかし、すぐに尻餅を
またついた。
「ぎゃははははッ、ザマーミロ山村!!」
そんな山村の姿を見て根本が今までにないくらい嬉しそうにしていた。
「ふっ、いつも俺をさんざんバカにしやがって。スキーもろくに滑れない奴にバカにされたくないわ!!」
「…根本?」
「うん、な…」
根本の振り返った先には
笑顔なのになんか怖い乃愛がいた。
「人の彼氏バカにされてあんまり気分よくないんだけど。ッテカ、お前はスキー以外になんの取り柄があんだよ。」
「根本ー、謝っといた方が傷は浅くてすむよ。」
「調子に乗ってすいませんでした。」
美帆のアドバイスもあってか、根本はすぐに謝った。
ッテカ、乃愛まぢで怖いな。
まさに、鬼みた…、
「山田君、なにか言った?」
「なにも、言ってません!」
おれが敵わなかった女は
初めてだった。
