「いい空だねぇ…」
「ホントだ…爽やかで超キレイだね」
「ねぇ…眠いから黙っててくんね?」
気だるそうに欠伸をしながら、山田君が私と侑太の会話を遮った。
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「オイ!何みんな黙り込んでんの!?
今かなりヤバかったよ!!俺が喋んなかったら『…』が8人分続くとこだったよ!!」
何秒間かの沈黙を、根元君の大きな声が破った。
「だって…」
「山田が…」
「うるさいって…」
「言うから…」
侑太、私、乃愛、山村が順番に答えた。
「いいよ別に一人ずつ言わなくて!」
根元君はさらに怒る。
「根元は怒りっぽいからダメなんだ」
みんなが言いたかった一言を、山村君が言った。
それを聞いた根元君は怒ってないフリをし始める。
「おっ、怒ってねぇし…俺…ダメじゃねぇし…」
「しょうがないよね。根元だもんね」
「そうだよ。根元はどう頑張ったところで根元でしかないんだもん」
「何それェ!?それみんな一緒じゃね!?」
根元君は必死に捺月と美帆につっこむ。
何だか根元君が可哀想に見えてきた……。
