「さとしさん!」


「お、やっと来た」



秘密で付き合ってたから、会う場所は屋上しかなかった。

その屋上の鍵は、さとしさんしかもっていなくて。

なぜさとしさんが鍵を持っていたのかは知らないけど、とにかく私たちはいつも、屋上で会っていた。


お母さんにばれるといけないから、学校周辺で会うことはできなくて。


李亜にばれたくなかったから、学校で会うわけにもいかなくて。


金銭的問題で、遠くにいけたわけでもなくて。



本当に、屋上しかなかった。




それでも私は、さとしさんと一緒にいれたから、幸せだったよ…