拘置所であたしは面会所に通された。


山本・・・、


ううん、崎本はあたしと会うのを拒否しなかった。



やがて係員に連れられて、崎本が現れた。


あのときより少し白髪が増えた気はするけれど、痩せ型の体や、面長の顔。


一目見て、本人だと分かった。



「まさか、きみが会いにくるとはね」


崎本は冷ややかに笑った。


「わたしがこんなことになって、惨めに思ってくれたのかい?」