あたしはコウさんから、コウさんが住んでいるマンションの合鍵をもらった。


それは、いつでもあたしが好きなときに来てもかまわないという印でもあった。


あたしたちはよく一緒にごはんを作って食べた。


そして好きなCDを聴きながら、のんびりとした時間を過ごした。


そのままコウさんとお泊まりすることもできる。


でもかたづけを終えたあと、あたしはいつも奈緒子さんのアパートに帰った。


あたしたちは急がず、時が熟すまで、じっくりと関係を築き上げようとしていた。