あたしは隠していた残りのお金を使おうと思い、押入れを開けたときだった。


あたしは愕然とした。


古い布団は消え、押入れの中はからっぽだった。


無論、お金の入った封筒はあとかたもなく消えている。


あたしは急いで母のもとに行くと、母に問いただした。




「押入れの中の布団は、どこにやったの?」


「そこの布団は捨てたよ。もう使うことはないからね」


母はぶっきらぼうに答えた。


「じゃあ、布団の下にあった封筒は?どこにあるの?」


「封筒?」


「布団の下にあったでしょ?」


「ああ、あれね」


母は、ふふっと笑った。