【完】★LIGHT OF LOVE★15歳・・・援助交際と運命の恋

今日は土曜日の朝。


人通りは少なかった。


あたしはホテルから、まっすぐ家に帰った。




「ただいま・・・」


玄関でそうつぶやいて、あたしは家に上がる。


だけど返事はない。


母があたしに


「おかえり」


と言ってくれたことなんか、一度もないのだから・・・。


母は恋人と酔いつぶれて、居間で寝ている。


あたしがきのう家に帰って来なかったことさえ、気づいていないだろう。





あたしはカバンの中から、3万円の入った封筒を取り出した。


このお金は、絶対に母に見つかってはならない。


もしも見つかってしまえば、母が酒代に使ってしまうだろうから・・・。



あたしは封筒から1万円だけ取り出し、残りの2万円は残したまま、封筒を押入れの中の古い布団の一番下に隠した。


この布団はもう何年も使われずに、押入れの中に入れっぱなしになっている。


ここなら、母に見つかることはないだろう。