悲しみにくれているうちに、クリスマスが過ぎ、年末が過ぎ、新しい年が明けた。


ヒカルと別れてから、三週間がたとうとしていた。


そして・・・


思いがけない出来事が起こった。



奈緒子さんの携帯に、ヒカルから届いた短いメール。


『おれは家族とこの街から去ります。今までありがとう』



夜逃げ――。


借金取りに追われる人生に疲れ果てたヒカルの両親は、ついに家族とともに夜逃げを決意したのだった。