幸せの契約

「やっぱり!
鈴行ったんだぁ。実はさぁ、私も行ったんだよね。」


「えぇ!!?
あの会場にいたの?」


講義中ということも忘れて私の声が大きくなった


「しーっ!」


静香が慌てて姿勢を低くした


「鈴に会いに行こうとしたんだけど、いきなりステージに上がるし。

しかも、あの萩ノ宮大和さんの婚約者だなんて紹介されてるんだもん!」


風邪だのなんだので
すっかり忘れていた…

大和さん…


「あれは、まだ正式に決まった訳じゃないもん。

それに…。」


犬居さんのことを想って言葉が詰まる


「もしかして、他に好きな人いるとか?」



!!



静香の鋭い指摘に顔が赤くなる



「マジで?」



今度は静香の声が大きくなった



さらに私たちは姿勢を低くする