幸せの契約

結局
屋敷に帰ってきたときには

犬居さんと黒木さんの手に大量のショッピング袋



「どうして、ドレスを10枚も買わなきゃいけないんですか?!
それに合わせて、靴にバッグに髪飾りにアクセサリーまでっ!

金持ちって信じらんない。無駄遣い!」



由香ちゃんが買ったものを部屋中に広げていく


「仕方ありません。
鈴様は旦那様の大切なお方ですから、これから公式なパーティーに出席される事も増えるかもしれませんし。」


私を気遣いながら話す由香ちゃん


「だけどさぁ。」


渋る私に差し出された
香りたつコーヒー


「鈴様は倹約でいらっしゃいますね。」


すましがおの犬居さん


「もういいです。」


コーヒーを飲む
相変わらず美味しい



性格がひねくれてなければ格好いい人なのに


「本日お召しになるものはドレスルームに出してありますので、お着替えください。」



「へいへい…。」



重い足取りドレスルームに向かった