幸せの契約

蔵之助さんの妹


大学の経営者でもある学長の小百合さんは

洗礼を受けたシスターだった


「兄から事情は聞いています。ようこそ、ガラシャ大学へ。」


胸元のロザリオが煌めく


目元が蔵之助さんとそっくりだ


「我が大学では、親が有名な生徒もいます。
だから、鈴さんみたいに従者を連れて大学に来る人も多いのです。

だから
鈴さんの執事も大学に連れてきても大丈夫ですよ?」


大学に執事!?


犬居さんを見ると表示一つ変えてない


「大学に犬居さんは連れてこれません。遠慮します。」


私の答えに
小百合さんは犬居さんに向かって少し微笑む


「ですってよ?
バトラーさん。」


犬居さんはゆっくり頭を下げた


「かしこまりました。マイロード。」


その姿をみて
物珍しそうに

でも
どこか楽しそうに


小百合さんは言う
「素敵な…バトラーですね。」


私には小百合さんの意味が分からなかった