幸せの契約

「行かないで…

行かないでくださいっっ!
私を…
1人に…しないで。

行かないでぇ…――!」




握りしめた温もり


鼻をくすぐる優しい香り



背中に回る大きな手





でも



犬居さんの手は私の肩に置かれ


ぐっと体を押し離した