―知稀― 百合なんで出て行ったんだ? 俺なんか言ったか? 俺は ごめん。七海は嫌い。好きなのは百合だけだから。 としか言ってねぇよな。 勘違いしてんじゃねぇの? 俺はひたすら百合を探した。 「百合ー。」 「あっ、知稀。」 「翔、百合見なかったか?」 「あぁさっき向こうの海岸のほうへ走ってったよ。なんか泣いてるっぽかったけど。」 「マジかよ。さんきゅ。」 海岸って、あの崖のとこじゃねぇの!? やばくね!? 俺は猛スピードで百合を追いかけた。