「拓哉~」


俺が教室に入ってくると、いつもそうやって肩に手をまわしてくるヤツがいる

ダチの井谷誠だ


「何だよ朝から、暑苦しい!」


そう言って誠の手を払いのけながら、自分の席にカバンを下ろすと、隣には遥が既に着席していた


「あ~タク!毎朝言ってる気がするけど、ああやって曲がり角曲がってたら、いつか人轢くよ!?」

「はいはい、気をつけます」


遥がかまってくれるのが嬉しくて、俺はついついそうしてしまう

危ないのは分かっているけれど、どうしても遥にかまってもらいたいのだ


「ってか、俺の話は~?拓哉くーん」


再び絡んでくる誠に、呆れながら相手をする