Sweetなキミへ

「失礼します」


そう言って、俺は彼女たちの前に姿を現す

最初に俺を見たのは、遥の友達


「え!?えぇ!!!?山中拓哉!?」


『フルネームかよ!』と心の中でツッコミを入れながら、遥の友達の分のケーキをテーブルに置いていく


「そうして……お客様にはこちらを―――」


そう言って俺は隣の席に遥を誘導する

遥はその言葉に驚いて、戸惑っている

そんな彼女に友達が「行っといでよ!」と背中を押し、彼女はゆっくりと席を移動した


『cherry on the chocolate』


遥からイメージする春をモチーフにした、俺の作ったスイーツだ

半分に割ると、中から温かいさくらんぼのチョコレートが出てくる

フォンダンショコラの応用、といったところだろうか