Sweetなキミへ

驚き半分、羨ましさ半分といった感じで誠が俺を見つめていると、その後ろから遥の姿が現れた


「タクは毎年毎年凄いわね~。お返しとかどうしてるの?」


好きなヤツにこの状況を見られるのはもの凄く複雑だが、せっかく話しかけられたのだから、言葉は返す


「名前書いてるヤツには、一応返すよ……」


と言っても、店の商品だけれど……


そう心の中で付け足していると、誠がナイスな質問を彼女に尋ねた


「櫻木さんは、拓哉にあげねーの?ってか本命はあげましたかっ?」


ラストはインタビュアーの如くマイクを差し出すポーズで尋ねる誠に、彼女は「あげないわよ」と答えた


「こんだけ貰ってたら、いらないでしょ。本命は……あげないかな?」


今の間、今の間何!?


俺が1人そこに食いついている中、誠は「これ以上は確かにいらんわな~」と呟いている


『いるだろ!だって好きなヤツからのチョコと、他のヤツからのチョコ、一緒にすんなよ!!!!』


涙ながらに心の中で叫んだ声は、誰知らず

俺は遥たちと教室へと向かった