綺麗な晴天の空のもと、今日も寒空が広がっている

いつものように愛車のチャリにまたがって、俺は数十分離れた学校へと向かう

冷たい空気が頬をかすめるこの瞬間が、俺は結構好きだったりする

チャリを飛ばして角を曲がると、いつもそこで出会うヤツがいる


「わっ!今日も危ないわね、タク!!」


曲がり角で出会うのは、櫻木遥

『櫻』に『遥』、面白い事に春生まれ

小中高とずっと同じ学校のクラスメート


「そんなとこ歩いてるヤツがわりぃーの♪」


そう言って俺はチャリをこいで、そのまま門をくぐりぬける

門を通ってチャリ置き場について、俺は今日も反省する


『また、やっちまった……』


別にあんな風に会話したいわけではないのに、俺はいつも遥にあんな言い方をしてしまう

そんなんだから、彼女に想いを伝える事が出来ないんだ

もうずっと、出会ってからずっと、片思いを続けているってのに