「…名前…なんやったっけ…?」
「…ハッ…稲田あずさだ。」
「俺、女の子にあんなに言われたの初めてや…」
今まで喜んでついてくるやつらばっかりだったから。
「俺も…金髪って言われたのも…」
「だからアイツを入れたい。いや、いれる」
結城会長が連れてきた先輩。
俺は見馴れていた、図書委員をやっている稲田先輩だったから。前から少し喋ったこともあったし(おすすめを聞いたり…)女はうるさいものだとこの学園に来てからは思っていたが、この人は違うとも思っていた。
その先輩があんなに言うなんて。
まあ、言われて当たり前か…。
「亮、あの人知り合いだよね?」
「まあ…」
「なんか…かっこよかったね」
「ああ」
俺ともうひとりの2年鳳 長助は言った。
その日は生徒会室の周りの人は少なくなってたし、皆それぞれに考えごともしてたみたいで、生徒会が短く感じた。
