今日から地区大会が始まる。
緊張でスコアを書く手が思わず震えたよ。
ジャンケンで決めたスコア書き。
今日は私が書く事に決まった。
次の試合はサオが書く。
交互に書いて、
同じ数ベンチ入り出来るといいな、なんて考えながらスコアブックを開いた。
この地区大会は春の選抜に向けての大事な試合。
それにこのメンバーで初めての公式戦。
今日初めて背番号を付ける選手もいる。
そんな中誰よりも輝いていたのは
エースナンバーをつけたヒデだった。
やっとの思いで手に入れたエースナンバーは一段を輝いていて、
1番を背負いマウンドに立つ姿はどんなバッターでも
三振にしてくれそうな気さえした。
その姿にサオと2人で目を潤ませたよね。
ヒデの努力をいつも見守ってきた。
特にサオは一生懸命投げるヒデの横で、
常にタオルを渡して、
肩が壊れないようにアイシングしていた。
だからこそサオの目に溜まった涙につられた。
ヒデの球はスピードがある。
先輩にも負けないくらいのスピードがあった。
でも上手くいかないコントロールに悩む日々。
そのヒデを支えたのが1年生の頃からずっとバッテリーを組んで来たサクちゃん。
ミットを構えて、ヒデのボールに指示をだす。
サクちゃんの構えた場所から外れるとヒデはすごい悔しがってた。
でも同じようにサクちゃんも悔しがるんだよね。
私の横でサオも悔しそうに眉間にしわを寄せていて、
私はその3人の姿によく笑ったよ。

