「な…なな何泣いてんだよ!」
「だって…酷いよ……わたし、なんでっ…こんな…ッ」
少し動揺した様子の男の子。悪い人には見えないけど、わたしがベッドに座らせられてるところみれば、やっぱりこれから…そういう事なのだろう。
「ハァ……冗談だっつの。なんかオマエと話したいって直感でそー思ったから連れてきたの。」
「なに…それ、じゃ、なんでホテルなの…?」
「静かだしいいじゃん?」
「…よくない。ってか誰なのよ…」
勝手な人だな…。孝介と全然違うや…。って、孝介と比べちゃいけないけど。
「俺、神谷 幸太郎。さっきお前がコウって呼んだろ、俺もさ、コウって呼ばれてんだよ。」
「そうだったの……あ…わたしは藤崎 梨香子、リコって呼ばれてる。」
