カレー

『カレーの真夜中』


アタシはキッチンで

レトルトのカレーを

暖めている

あの人が真夜中に

どうしても食べたくなった

そんなカレーを

一緒に食べたくなったから

鍋の中でレトルトの

カレーは揺られながら

アタシは

あの人と一緒になることを

想像してしまう

その想像はとても

幸せそうなもの

だったのだけれどアタシは

それはかなわない事

だと知っている

だからこの大切な

あの人とカレーを食べている

この真夜中を思い出にする