カレー

『カレーのある部屋』


母はカレーを思い出に残して

遠くに旅立っていった

ワタシが幼かった時の話

学校から家に帰ると

カレーの匂いが

部屋の中を包んでいて

それでワタシは

母とカレーに

守られているのかなって

いつもそう考えていて

とても幸せな気持ちで

カレーを食べていた

ワタシは

母のカレーの匂いだけで

今を生きていた

母が遠くに行ってから

ワタシは

沢山のオトコたちの

ココロを弄びながら

夜を流れている