カレー

『見渡す限りカレーの海』


気付けばボクはカレーの中に

漂っている

カレーが口や鼻に

浸入してとても痛い

ニンジンやジャガイモに

体をぶつけて

自由がきかない

それでもまだ

ボクは意識を保っている

船はあの大波で

沈んでしまったのだろうか

カレーの中では何も分からない

いつしかボクの体は

さらにカレーの深い処まで

沈んでいる

目を開けると

カレーの深い処から

何かが見えたような気がした

カレーがボクを呼んでいるのか

わからないまま沈んでいく