プシュッ
缶ビールを開けて、誰も居ない部屋で1人乾杯。髪を乾かしながら時計に目をやる。
そろそろだな…
ブルブルブル…
思った通り。水族館で買った、お揃いのイルカのストラップと一緒に携帯が震える。
『今着いたよ!お風呂上がったら電話するね!』
ミクからのメールだった。
『おう!わかった!待ってる。』
俺はそう返信して携帯を閉じた。残りのビールを一気に飲み干し、髪を乾かして電話に備える。
ほどなくして、イルカが震える。勿論ミクからの電話。
「もしもし。」
「セイジやめてよ〜」
電話の第一声から、ホームでのキスの話。エッチだとか変態とか一方的に喋り始めた。
「……ぷぷっ」
「……何が可笑しいのよ…」
あまりにも、思った事を返してくるミクに自然と笑えてくる。


