「加藤ちゃんが可愛いから、課長ぼ〜っと見とれてたんだよ。」
そう余計な事を言ったのは、立ち上がった視線の先に居た、青果売場の母ちゃんことベテランパートの田村さん。
かっぷくが良く明るい性格で3人の子持ち。仕事も真面目で的確で、パートさんにも社員にも頼られる存在だ。
「えっそうなんですか?課長!」
そう言いながら隣でひょこっと立ち上がり、上目遣いでこっちを見る加藤ちゃん。
ニコニコしてなぜかウンウン頷いてる、余計なこと言う田村さん。
「…あのな〜」
そんなわけないだろうと弁解する為、口を開いてみるものの、いい人材であろう2人は仕事中にも関わらず俺を無視し盛り上がっている。
「…先に行ってる。」
深いため息を吐き、捨て台詞的に言うと、人を見る目はあるつもりと呪文の様に呟きながら、バックヤードへと足を進めた。


