「よ〜し、次は発注業務教えるからバックヤードな。」
「ふぁ〜い。」
最後のリンゴを手にしたのを確認して言うと気のない返事。
やれやれ…先が思いやられる。そう思いながらも、加藤さんの仕事ぶりには感心した。
品出しの手際の良さ、陳列の仕方、お客様への声がけや笑顔は合格点だ。
少しの時間しか見てないが、それで十分。自慢じゃないが人を見る目はあるつもり。仕事に関して言えばきっといい人材に違いない。
「…課長?何、ニヤニヤして見てるんですか?」
「へ?」
気の抜けた返事の俺をよそに、キョトンとした加藤さんが目の前にいた。しかもかなり近い…。
「うわっ」
あまりの近さに思わず声が出る。しゃがんで空き箱をたたんでたが、跳び跳ねるように立ち上がった。


