「遠距離って辛くありません?」
黙って注文したランチを食べる俺に、こんな調子で次々と質問や話し掛けてくる。
「目の前に、こんなに可愛い美久が居ますよ?」
今日のランチのハンバーグを食べながら、ミクの作ったハンバーグの方が100倍美味いなと思った。
「人の話聞いてます?遠いミクさんより、近くの美久はどうですか?」
食後のコーヒーを一口飲み、加藤さんの方へ目をやり、ようやく口を開く。
「遠距離恋愛した事あるの?」
俺が喋ったのが余程嬉しかったのか、急に眼を輝かせ身振り手振りも交えながら話しだす。
「ありますよ〜でも全然長続きしませんでした。やっぱり近くの人がいいですよ〜。」
「だろうな。」
そう言って、加藤さんが食べ終わってるのを確認し、レシートを手に席を立つ。


