俺と彼女のミクが付き合ってるのは、会社の人なら大抵知っている。
もし他の人も事務所に居たら、変な噂が起っても不思議じゃない。
俺はこの場を去る事にした。早く飯を食いに行こう。一応念の為、井口に「違うからな」と言って事務所を後にする。
後ろから迷惑な新人が付いてくるが、いちいちかまってられない。
無視をしながら近くのファミレスへ急ぐ。
「お一人様ですか?」
「はい。」
「2名です。」
「…あのなぁ加藤さん…」
「2名様こちらへどうぞ!」
「課長、行きましょ!」
「………。」
窓際の席に通され、結局加藤さんと食事をする羽目に…。何か苦手だこっちのミクは…。
「課長の彼女さんもミクっていう名前なんですね?」
注文を済ませ、ドリンクバーを持ってきた加藤さんが質問をしてくる。
「だったらどうした?」
「なんか運命感じません?」
……感じません。


