【コラボ短編】Zの未来


昔からちょっとおっちょこちょいで、でも人一倍頑張り屋で、素直で、いつしかそんなミクに惹かれて行ったっけ。


資料を読みながら、当時を思い出す。………と昔を思い出してる場合じゃないな。


要点を整理し、説明する内容を予め決める。そうこうしている内に、時刻は11時になった。


急いで会議室に向かう。トントンとノックして入ると、そこには支店長と女性が、既に椅子に座り俺の到着を待っていた。


「支店長、遅くなって申し訳ありません。」


手に持った資料の数々をドンと机に置き、支店長に一言詫びる。


「彼が今程話していた、登坂誠治君、登坂課長だ。」


そんな俺には目もくれず、目の前に座ってる女性に俺を紹介する支店長。


「はじめまして、今日からお世話になります『加藤ミク』です。よろしくお願いします。」


新人の女性は席を立ち、俺の方に向き直りお辞儀をしてそう言った。