「おはようございます!支店長、何でしょうか?」
「長澤君は元気だったか?」
「え?……はい!一生忘れられないチョコ貰いました。」
仕事モードに成りかけてたのに、ミクの名前が出たもんだから、照れながらもそう答えた。
「一生忘れられない?」
そう支店長は俺に聞き返すと、周りを気にしながら小声でこう付け加えた。
「長澤がチョコになったのか?」
「………。」
そう。唯一支店長に問題があるとすれば、エロ親父だということ……。これさえ無ければ完璧なのに…と何回思った事か……。
「…いえ、チョコにはなってません。」
「そうか…。」
照れながら言った俺が逆に馬鹿馬鹿しく感じ、冷めた口調というか哀れみを含んだ口調でそう答えると、なぜか悲しい表情で支店長はうなだれた。


