君に一番近い場所




「ってか中野。
そんなにちんたら歩いてると遅刻だよ?」



うっ……
だってこれ以上早く歩くと根津達に追い付いちゃうし…。



「実は靴擦れ痛くてさ」



葉賀は「ふぅん」と納得した様子を見せても目の前を歩く根津達を見ていた。



学校行くまでは
この駅からの1本道を真っ直ぐ歩くしかない。



商店街の中を只ひたすら歩く。
というその作業が、あたしには凄く難しく感じた。