根津は動かないまま 顔を机につけて 動かないまま あきらか 落ち込んだまま あたしを 呼んでおいては 何も話さない。 「何?」 最後に頭に残っている言葉が 噛んだ情けない自分だったので 言い直してみた。 「……」 それでも根津は 何も言わないみたいで あたしには なにか言葉を選んでいるように感じた。