「はい」 根津は握りこぶし1個作って あたしに差し出した 「なに?」 「いいから」 つまり、 手を出せって事だろうか…… なにかくれるのかな? 期待感に溢れ、あたしは素直に手を出しかける。 そして、やめる。 「……」 「いらないの?」 根津は言う。 あたしが手を出せないのは あたしの中で小さな葛藤があったからだ。