根津にあう夢を見た。
根津はあたしに
手を差し出すんだけど

届かない夢



夢の中で
君を追い掛けた。



夢、とは
自分の会いたい気持ちが擦り抜けた妄想なのだ。



と、誰かが言っていた。



それでもいい。
君に会えるのならば。



なのに
思い出した事を後悔した。


忘れてしまいたい
こんなに辛いなら。



寝て
覚めて
あたしはここに居なければいいのに。



あたしは残念な事に
今日もその願いが叶えられず、目を覚ます。



「……」



部屋の窓から外を見た。
まだ布団から出れず
上半身だけ起こした。



今日も憎たらしいくらい
空が青い。



「目が覚めなきゃよかったのに」



それでも目が覚めた
今日も目が覚めた