君に一番近い場所




「随分大きな靴擦れだねぇ」



葉賀の視線は相変わらず根津だ。



直接相談したワケでもないのに、この恋は葉賀にバレていた。
バレバレだった。



「あとどれくらいで治りそうなの?」




「まだまだ随分かかりますなぁ」


あたしも
根津と美希を見て
歩き始めた。



何を話しているのかは
聞こえなかったけれど、



足取りは段々と重くなっていき
ついに遅刻した。



適当に嘘を吐いた
あるはずのない
カカトの靴擦れが痛んだ気がした