*制服のボタン*バレンタインの憂鬱*陵弥


卓が余計な事を教えるから凜花の様子が変だったのか…



俺は呑気に、凜花の胸の内なんか知らずにそう思っていた。



今年は誰からも受け取るつもりはないし。



凜花だけでいい。




そう、凜花に言うつもりで昼休み、中庭に呼び出した。




「川上先輩」




振り返ると、昨日の娘。



「私、1年の田代 愛美です。川上先輩って同じクラスの幸樹君と従兄なんですよね?」




あーこの娘、幸樹が好きなのか?



幸樹って、俺の1つ下の従弟。


俺の真似ばっかりして、去年のクリスマスなんか、凜花に手出そうとした奴。



まぁ、今は可愛い弟みたいな奴だ。




「そーだけど、何か?」



すると。



「あの…幸樹君と川上先輩って雰囲気とか、似てますよね…好みとかも似てますか?」





って、やっぱり幸樹が好きなのか…




俺の隣に座って、幸樹の事、色々聞いて。




「…あっ」



愛美ちゃんは凜花に気付くと、立ち上がり軽く会釈をすると中庭から出て行った。




その娘の後ろ姿を見送る凜花に。




「あの娘、幸樹が好きなんじゃねぇーの?色々聞いて行ったぞ」