結局、その日はご機嫌斜めで1日を終えた。
帰りは必ず、下駄箱で凜花と待ち合わせ。
さすがに、今日も不機嫌な顔、凜花には出来ねぇよな…
下駄箱に寄り掛かり、先行く卓と沙織ちゃんに笑顔で手を振る、凜花の横顔に口元が緩む。
と、そこへ。
「川上先輩」
呼び止められて振り返った。
誰だこの娘。
1年か…
俺を見上げて。
「あの…これ調理実習で作った、マドレーヌなんですけど…よかったら貰って下さい…」
あ?マドレーヌ…
俺に気があんのかこの娘?
だったら…
「ごめんね。彼女以外からは受け取れない」
その気のない女に、気持たせる様な事はしたくねーし。
俺には凜花がいるんで。
そう言うと、その娘に背を向け凜花の元へ。
あー今の見てたな…
凜花の視線は俺の後ろの女の子だ…
ばーか、心配すんな。俺はお前しか見てねぇーよ。
「行くぞ」
そう言うと凜花は。
「ぁ…ぅん…」
って、気にすんなよ!
「どうした?」
「…ん…何でもなぃ…」
…何だよ…俺、凜花だけだけど…

