凜花の目の前に、俺の手を差し出す。
いつもなら、笑顔でその手を握ってくれる凜花が。
笑顔を見せず、目を伏せた。
凜花…?
俺は凜花の手を強引に掴み、足早に歩き出した。
小走り気味に黙って、俺に手を引かれる凜花。
俺は自分がついた嘘の後ろめたさと、言いたい事があるはずなのに、何も言わない凜花に苛立っていた。
部屋に着くと、凜花を強引に引き入れた。
「何怒ってんの」
苛立つ気持ちを抑え穏やかに言ったつもりだった。
それなのに…凜花が。
「何も怒ってない。怒ってるのは陵弥じゃない?」
「何で突っ掛かる」
「突っ掛かかってない!」
段々、声が荒くなって。
「突っ掛かてんだろッ!」
突っ掛かる凜花にも、嘘なんかついた自分にもイライラして、声を荒げた。
自分の荒げた声にハッとした。
凜花がビクついて顔を曇らせた。
そして、目を伏せた凜花が。
「…陵弥が…嘘つくから…」

