2月の寒空の下、合わせた両手にはぁーっと息を掛け寒そうに下駄箱に寄り掛かる。
その後ろ姿に自然に笑みが浮かぶ。
俺、川上 陵弥 17歳。
「悪りぃ、凜花待たせた」
「遅いよ!寒いのにッ!」
って、頬を膨らます。
「行くぞ」
と、差し出した俺の手に笑顔で指を絡める。
「寒ーい!」
そう言って、ピトッとくっ着いて来る。
沢村 凜花 17歳。
俺の大事な女。
そもそも、女に本気になったなんて自分でも驚いた。
俺が好きだって気付い時、コイツは…
相当目立つ。
噂の女だった。
くだんない噂だったけどな。
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