小夜は閉まったばかりの扉に走りより、泣きながら扉を叩いた。
「開けて!! 弥生あけてよ! やだよ!! 一緒に来てよ!!」
扉の向こうからは、何の音も聞こえない。
「うっ…うう……」
小夜は崩れ落ち、泣いた。
弥生たちが死ぬとは考えたくない。
しかし時間稼ぎもそう保たない。
小夜は立ち上がった。
嗚咽の止まらない喉はそのままに、涙を拭い走りだした。
逃げなきゃ…!
その思いだけが体を動かす原動力になっていた。
目の前で死んでしまった仲間。
少しずついなくなったのもその所為なのだと理解した。
階段を下り、エレベータをで下り随分と下へと降りた時、ずっと遠くで爆発音がした。
体の力がすべて抜けていくような感じだった。
ヘタ、と座りこんだのは床の冷たさを感じてからわかった。
どこかで、弥生だけは大丈夫だと考えていた。
特別扱いだったし、何でも知っていたし――でも、今の音は…きっと……
小夜は、頭をふってその考えを消した。
もう一度足を踏み出したとき、また爆発音がした。
それも、さっきより確実に近い場所で。
小夜は思いっきり走り出した。
パニックになり、とにかく進んだ。
そのうち、カツン…という足音が聞こえてくるようになった。
始めは幻聴と思っていた、思いたかったがそれが本物であることを知らされた。
幹部型――それも小夜を此処に連れてきた男が曲がり角を曲がるときに見えたのだ。
「開けて!! 弥生あけてよ! やだよ!! 一緒に来てよ!!」
扉の向こうからは、何の音も聞こえない。
「うっ…うう……」
小夜は崩れ落ち、泣いた。
弥生たちが死ぬとは考えたくない。
しかし時間稼ぎもそう保たない。
小夜は立ち上がった。
嗚咽の止まらない喉はそのままに、涙を拭い走りだした。
逃げなきゃ…!
その思いだけが体を動かす原動力になっていた。
目の前で死んでしまった仲間。
少しずついなくなったのもその所為なのだと理解した。
階段を下り、エレベータをで下り随分と下へと降りた時、ずっと遠くで爆発音がした。
体の力がすべて抜けていくような感じだった。
ヘタ、と座りこんだのは床の冷たさを感じてからわかった。
どこかで、弥生だけは大丈夫だと考えていた。
特別扱いだったし、何でも知っていたし――でも、今の音は…きっと……
小夜は、頭をふってその考えを消した。
もう一度足を踏み出したとき、また爆発音がした。
それも、さっきより確実に近い場所で。
小夜は思いっきり走り出した。
パニックになり、とにかく進んだ。
そのうち、カツン…という足音が聞こえてくるようになった。
始めは幻聴と思っていた、思いたかったがそれが本物であることを知らされた。
幹部型――それも小夜を此処に連れてきた男が曲がり角を曲がるときに見えたのだ。


