小夜はまっさかさまに落ちていく。
不思議と恐怖感は無かった。
中には淡い光を放つブロック状のものがひしめいていた。
小夜は、その一つに落下した。
すると回りの空間が溶けるようになり、背景をつくって行く。
広い部屋、立派な椅子に座る男性に下段の離れたところで幼いラスクディルと男性が何かを怒鳴っていた。
―僕は機械なんかと違う! 人間なんです!―
―だからなんだと言うのだ! 成果が上がらな無ければ貴様ごときいつでも捨ててもいいのだ!代わりなどいくらでもいる!
わかったらさっさと戻れ!それとも今すぐ放りだされたいか!―
また溶けるように世界が変わる。
気付けば落下したブロックをすり抜けていた。
ブロックに触れることで抜けるまでの間、記憶を覗けるようだ。
小夜は、また次のブロックに落ちる。
暗い部屋。
いろんな機械で満たされている部屋の中央にカプセル状のベッドがあった。
ラスクディルは息を潜めてそこへ近づく。
手に持つ鋏が鈍く光った。
その鋏でシリコンの柔らかい管に狙いを定め、手に取る。
―これ一本切れば…皆の苦しみは消えるんだ……―
手が震える。
怖い。
唐突に扉が開いた。その音に驚きラスクディルは硬直する。
入ってきた人は物音を見逃さず、音の主に目を見開いた。
―誰かいるのか?…!! 何をなさっているのですかラスク様!―
その人にラスクディルは取り押さえられた。


