そこは、暗い雰囲気とは打って変わって、白をメインとした明るい廊下だった。


なんだか安心する色。


小夜は男についていきながら辺りを見回した。


そこはなかなかに遠く、いくつものドアを通り過ぎた。

やがて、足を止めた男がひとつの部屋の扉を開いた。


「此処が、今日から君が働く場所さ」


部屋は廊下と同じく白がメインでいろいろな機械と書類、パソコン室よりも高性能そうなパソコンが3台置かれていた。


「あんたか、今日は何の用だ?」

部屋に入る男に声をかけたのは、小夜よりも少し2,3歳年上くらいの男の子だった。

さらさらの金髪を真ん中で分け鋭い銀の瞳は見透かされるような錯覚を覚える。
小夜やパソコン室にいた子と違うところは白い白衣を着ていることだった。

「今日はこの研究室に新しく入ることになった子を連れてきたんだ」

「新しい?」

「そう、君以来の逸材だよ」

「フーン……」

「なんだ、あまり興味が無さそうだな」

「そんなことないさ。ただ二日も貫徹したんじゃだいぶ体がだるいんでな。
さっさと出て行ってくれるとありがたいな」


男の子の態度に少し鼻息を荒くしながら男は黙って出て行った。

「で? お前名前は?」

「え?」

いきなり話しかけられて小夜はビクッとした。