………ドォン!!!!!

「!!!」


何かが落ちた音がした。
少女の体はガクガクと震え始める。


開いたままのエレベーターの中に足音の主がいた。


少女は震える体を抑え楕円形のものの扉を閉め、パソコンのキーボードのようなものに向き、すばやく打ち込み始めた。


…ウィーン……


起動する音がする。
すくなくとも動くことに少女は安堵した。

「!」

足音の主はそれに気付き楕円形のものに歩を進める。

嫌…嫌……こないで……!

少女の手は焦る。

楕円形のものがうっすらと光り始めると、足音の主は走り出した。

それをみた少女が手を止め、怯えた表情を見せた。


そして、ひとつのキーを

エンターキーを押した。

楕円形のものの光が強くなり、後方に細かい光の帯ができる。

足音の主の手がのび、掴もうとした。

しかしそこにはすでに楕円形のものは消え去っていた。
足音の主はスーツの胸ポケットから携帯電話を取り出しどこかにかけた。

「こちら№009 目標に逃げられ、タイムマシン一台を盗まれました。」