「大丈夫か?では、紹介する。今日転校してきた菜々さんだ。」


「菜々です。よろしくお願いしますです!!」

そう言って菜々はお辞儀をした。
留太は何かが頭の中でひっかかっていた。

(あの子、どこかで見たことあるような・・・)


「じゃあ、席は留太の隣でいいな。お前の隣の席はいつも空いてるな」

「留太さん。よろしくお願いしますです」


(この声・・・この口調・・・どこかで聞いたことあるような)


「あ・・・ああ、よろしく」


HRが終わり、留太はこのみの席へと向かった。

「なぁこのみ、あの転校生」

「転校生、菜々ちゃんだっけ?可愛いねー」

「そうじゃなくて、どっかで見たことないか?」

「うーん・・・ないなぁ。留太くん見たことあるの?」


(ぼんやりと覚えてるこの微かな記憶はなんなんだ?)


「ないような、あるような・・・」

「他人の空似じゃないかな?」


(なにか・・・思い出せねぇ!!)