「初めまして、留太くん。」

そこには頭上には金色の輪っか、背中には羽が生えた男性のキューピットがいた。


「あの・・・小羽、どうしたんですか?なんか元気がないようで」

「小羽?・・・ああ、77番のことか。心配しなくてもいい。いま77番をキューピット界へ連れ戻しに来たところですから」

「連れ戻すって・・・?」

「君の恋は見事に成就しただろう?」

「何言ってるんですか!?成就なんてしてませんよ」

「それはないな。昨日77番から電話があったんだ。」


昨夜

「あの会長、見事にわたしはキューピットとしての仕事をやり遂げました。なので明日、迎えをよろしくお願いします」

「本当か?すごいじゃないか。では、明日」



「これでわかったかね?77番はこれで一人前のキューピットだ。もう留太くんには会えないだろうが、これも何かの縁だろう。77番のことを忘れないでいてくれよ。では」

会長は小羽を抱きかかえ、再び光を放ち、キューピット界へ戻ろうとしていた。


「待ってくれ!!小羽ーーーーーー」



もう遅かった。目の前の光は消え、小羽も会長ももう目の前にはいなかった。