「これより、キューピット検定を行います。みなさん、準備はよろしいでしょうか?」

「もちろん大丈夫です~!!」

この人一倍元気が良いキューピット番号77番。
これからキューピット検定が始まろうとしているのに能天気でいられるのはこの人しかいないだろうと周りのキューピットはいつも思っていただろう。
なにせ、キューピット番号77番は1度もキューピット検定を合格したことがないから。
前代未聞の記録だ。


キューピット界の会長はあきれている。


「77番。お静かに」

「すみませんですー」


そもそもキューピット検定というものは、一人前のキューピットになるためにそれぞれのキューピットが挑む戦いなのである。
各キューピットは人間界へ行き、恋に悩む人間を見つけてその恋が成就するようにお手伝いをし、見事に恋人が成立すれば一人前のキューピットとしての称号がもらえるということだ。




「それでは、人間界に行ったら自らがキューピットであることを秘密にしてくださいね。もちろん、キューピット検定のことも秘密ですのでお忘れなく。では、幸運を祈りますよ」


「まかせてください会長!!今度こそわたし頑張って一人前になってみせるです!!」

「・・・期待していますよ。」

「いってきますですー」




こうしてキューピット番号77番とその他のキューピットの戦いは始まった。